26,「悪」を生み出す思考は、自らを破滅させます。

人は、誰しも自分の思い通りに過ごしたいと思っており、自分の思い通りにならない事に対して、ストレスを感じます。同時に自分の思い通りにならない対象を「悪」とし批判してしまいます。この自分が生み出した「悪」という感情のエネルギーが、自らを蝕んでゆきます。嫌な事、辛く苦しい事との「縁」を創るのです。

自分の思い通りにならない事が増えれば増えるほど、自分が生み出す「悪」は増え続けます。また、同時に「自分は正しい」という感情が強くなってゆきます。そして、自分が不快に感じる出来事が起きる度に、その対象を「悪」とするようになり、その経験値が血肉に刻まれ続ける事により、無意識に物事をそう判断するようになります。自分の価値観で受け入れられない対象をすべて「悪」と知る事で、安心感を得るようになります。

オーム真理教などの新興宗教にハマる仕組みもそれでしょう。「自分は「神」を信仰しているので、「神」に近い存在であり、そんな自分を批判する相手は「悪魔」である」と、そんな思考になってしまうのです。宗教やスピ系行為にハマる事を洗脳されたと言われていますが、これは、人間の思考構造の問題で、我欲を満たす事のみで過ごした結果、事実をしっかりと見極める思考が欠如してしまっただけでしょう。「悪」を生み出す事により、自らを「正しい存在」とする事が出来るので、それを「活力」にしたり「安心」を得るのです。

陰謀論にハマる思考も同じです。普段から不平不満が多い人に限り、陰謀という「悪」を生み出す事で、自分を「正しい存在」にできるのです。ネットで、誹謗中傷やアンチコメントをする相手を「悪」としてしまうのも、同じ思考が働いています。


自然界のルールでは、「善」も「悪」も存在しておらず、「正しい事」も「間違った事」も存在していません。従って、どんな出来事だろうと、どんな理由があろうと、自分が生み出した負の感情に対して、厄災を突きつけてきます。これは、私たちが、利他的な心を育むための仕組みなのです。