怒り

10,怒りの感情を抱く相手は、自己改善に必要な情報を持っています。

どんな人も、怒りや憎しみの感情を抱くように創られて生まれてきます。自分の思い通りにしたい時、それが適わないと、怒りの感情が込み上げてきます。強欲であればあるほど、自分の思い通りにしたいという欲求が強くなり、その分、同時に自分の思い通りにならない出来事が増えるので、怒りの感情も増えるでしょう。

私たちが怒りの感情が生み出すエネルギーは確実に自らの心身を蝕み、不幸な人生へと押し流して行きます。怒りの多い人には理不尽な嫌な出来事が増えてしまうのが自然界のルールなのです。なぜならば、自分が怒りを抱く相手は、自己の心を成長させる為の情報を持っているからです。自己の感情に任せ、ただ怒っているだけでは、心の成長がない為、嫌な出来事をどんどん突きつけられる事になります。何度も心を成長させるチャンスを与えられているのです。

怒りの感情は、考え方を変える事で、徐々に薄れて行きます。
例えば、車の運転中、信号無視をして突っ込んでくる車と衝突しそうになり、その相手にクラクションを鳴らされて怒鳴られたとします。信号無視をして突っ込んできたのは相手の方なので、自分は何も悪くない。あたかも自分が悪いかの如く一方的に怒鳴られれば、誰だって気分が悪い。怒りの感情が込み上げて腹が立つ!こんな出来事があったとします。

自分が相手の何にムカついたかを書き出すと・・・

①信号無視をしている事に気づいていない(自分が正しいと思い込んでいる。)
②状況を把握しないまま、相手が悪いと決めつけている。(目先の事だけを見て相手が悪いと決めつけている。)
③感情をあらわにして態度にだす。(相手を思いやる前に自己主張する。)

と、こんな感じでしょうか?

で、これを自分に当てはめて
①常に自分は正しいと思い込んでいないか?自分は冷静に物事を判断できていると言い切れるか?
②何でも決め付けずに、まずは相手を理解しようとしているか?(目先で起きる出来事に対して何が原因で起きているかを考えているか?)
③自分の価値観や感情を相手に押し付けていないか?(常日頃から相手の価値観や気持ちを汲み取るようにしているか?)

と、考えて自分自身の常日頃の生活態度を振り返ってみます。そうすると、自分の言動と当てはまる所が多々あるはずです。これこそが、今の自分が、自己改善しなければならない課題なのです。その課題と向き合い改善する努力をしなければ、また同じような出来事が起きます。何度も何度も繰り返し、少しずつ大きくなって行くでしょう。これも、私たちに「利他的な心」を育ませようとする自然界のルールです。

 

ちなみに「利他的な心」の大きな人はそんな出来事が起きても
『?自分は信号を見間違えたか?気をつけなけれは・・』
『事故にならなくて良かった。』
『あの人、事故を起こさなければいいけど・・』
など、自分を振り返るか、もしくは相手を心配するものです。この違いが、人生における未来に大きな差となるのでしょう。